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◇ 東京医科歯科大学 歯科技工教育 学士課程移行記念事業
 “歯科技工教育の飛翔”
 特別講演抄録

 
新世代の歯科技工士教育と口腔保健工学教育



  田上先生
東京医科歯科大学 歯学部長
大学院医歯学総合研究科 う蝕制御学分野教授
田上 順次
 
 
 本学歯科技工士学校は平成23年4月から歯学部口腔保健学科の中に口腔保健工学専攻として4年生の大学としての教育を開始することとなった。歯科医療技術の飛躍的な発展に伴う高度化とともに、歯科材料は歯科生体材料だけでなく、最近では生物材料も加わってきている。歯科技工士教育が技術者養成から大学教育へと変わるためには、こうした新技術や生物材料への対応ができる人材養成が必要である。これらに精通することは、新技法の開発にもつながるものであり、これまでに築きあげてきた「日本の歯科技工」の特徴をさらに強化、発展させることになる。
 歯科技工士である以上、技術教育も非常に重要で、このことは入学試験における実技試験や、我が国最大の患者数を誇る歯学部附属病院における臨床実習に、かなりの比重を置いていることでも、本専攻の特徴が表れている。
 輩出する人材としては、歯科技工学における専門的教育者、研究者および歯科医療工学技術者である。当然チーム医療の一員として、また国際社会の中での期待も高いことから、高度な専門知識と技術だけでなく、国際性、幅広い教養も身につけた人材養成を目指している。
 教養課程は全学的に1年間に短縮されており、本専攻のカリキュラムもこれに則ったもので2年時から専門教育を本格的に開始する。歯科技工士養成の指定規則では2200時間となっているが、本学技工士学校では2490時間のカリキュラムであった。本専攻では3060時間と、さらに十分な時間をかけて教育がおこなわれる。
 開設された分野は、
口腔基礎科学:ものつくりの技術開発に必要な基礎医学
口腔保健工学統合学:造形学、デザイン学、健康福祉、コミュニケーション学
口腔臨床科学:歯科技工技術者の視点にたった新材料の開発評価
情報歯科医療工学:画像解析技術、形態診断技術、およびデジタルベースによる補綴装置の製作技術の開発評価
生体材料加工学分野:ものつくりの技術を科学的な基盤を元に進展させ、医療機器の開発と加工に生かすための技術の開発評価
歯冠修復技工学:歯冠修復物製作者の視点にたった技術の開発研究
口腔機能再建技工学:義歯およびオーラルアプライアンスの製作と加工技術の開発研究
である。
 こうした環境の中で、歯科技工学の新しい学問体系を確立し、地域の歯科医療現場のみならず、医療研究機関、医療機器産業界においても国際的なレベルで貢献できる、新素材・新技術の開発研究能力のある技術者としての適性をもった専門的医療技術者を養成する。これにより本学のモットーである「知と癒しの匠を創造する」を推進する。



東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校の歩みと
超高齢社会における歯科技工の役割



  三浦先生
東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校 前学校長
大学院医歯学総合研究科 摂食機能保存学分野教授
三浦 宏之
 
 
 我が国における医療は、目覚ましい発展を遂げてきました。特に今日の医療現場においては、再生医療や遺伝子治療といった高度先進医療が展開される一方で、国民の寿命が大幅に伸びたことにより、予防と健康管理といった面に重点が置かれるようになりました。
 歯科医療においても、歯科医学における科学的学問体系の確立により、飛躍的に歯科医療技術が高度化し、さらなる将来の発展が期待されています。近年、顎口腔領域が全身の健康に深い関わりを持つことが実証され、口腔保健が果たすべき役割は、国民の生活の質の維持・向上に不可欠な要素として位置づけられるようになりました。さらには、予防と健康管理の側面のみならず、義歯やインプラントを始めとする口腔内再建装置の質の重要性が再認識される状況に至っています。歯科医療の高度化に伴い、患者の診療ニーズの多様化や国民の口腔保健に対する関心の高まりによって、歯科医療現場はもとより、地域においても、これらに的確に対応し得る高度な専門的知識と、歯の修復と失われた口腔組織の再建を専門とする歯科医療技術者に対する期待が高まっています。歯科技工分野においても新材料の応用、技工技術の高度化・複雑化とあいまって、歯科技工士の果たす役割も多様化し、以前にも増してその役割が重要視されています。さらに、訪問歯科診療等の診療アプローチも多様化し、その需要は益々大きくなることが予想され、チーム医療としての歯科技工士への期待も一段と高まっています。
 東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校は、昭和4年、東京高等歯科医学校(東京医科歯科大学の前身)に、本校の前身である技工手養成科が設置されたのが始まりで、国立の歯科技工士養成機関としては、我が国最古の歴史と伝統を持ち、歯科技工学の発展を牽引することによって、我が国の歯学に多大な貢献をしてきました。本年4月より歯学部口腔保健学科を改組し、新たに口腔保健工学専攻が設置され、歯科技工士学校は4年制大学として、新たな一歩を踏み出すこととなりました。
 う蝕や歯周病のために失われた顎口腔領域の機能・形態の回復を必要とする国民は多く、これらを一層高度な次元で回復することが医療に求められています。これらを実現するためには、顎口腔領域の治療を進歩・発展させるための新素材・新技術を開発・導入し、歯科医学のみならず材料工学、計測制御学、情報学に関しても高度な知識と技術を有する歯科医療技術者を育成することが不可欠です。このような歯科医療における新素材・新技術の開発については、世界の中においてもわが国が指導的役割を担うことが期待されています。その土壌となっているのは、わが国が従来、産業界における「もの作り」の技術において世界をリードしてきた歴史であり、その高い技術力とノウハウ、手作業に適した国民性などの伝統を、近未来社会における高度先進医療の展開と発展に活かすことが国内外の期待を集めています。
 本講演では東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校の歩みと超高齢社会における歯科技工の役割について述べさせていただきたいと思います。



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