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◇ 技友会学術講演会「夏のサンデートーク」
“CAD/CAM使用実感(その1)〜LAVA & CERCON〜”

 
○ 講  師:(有)ナチュラルセラミック 上林 健
○ 講  師:(有)TENSEI systems 石松 典生(実22)
 
○ 座  長:(有)ケイ·ワークス 橘田 修(賛助)
 
○ 日  時:2007年8月5日(日) 13:00〜17:00
 
○ 会  場:東京医科歯科大学歯学部校舎棟5F示説室



オールセラミックを成功させるためのラボワーク
〜LAVA〈ラヴァ〉システムを中心に〜
(有)ナチュラルセラミック 上林 健
 近年審美修復への要求度が高く、オールセラミックで対応した症例が顕著な増加傾向を示しています。
 特に CAD/CAM の精度も著しく向上し、また白いメタルと言われているジルコニアも加わり審美修復物の幅が広がりましたが、マテリアルの選択に悩まされることも事実です。また、強度的にどの程度まで対応できるのか素材によって適応範囲は異なります。
 今回は、天然歯補綴へのオールセラミックのマテリアル選択基準として、ディスカラーレーションや着色歯による歯芽の色調への対応と、インプラント補綴へのオールセラミックの可能性について失敗症例を含め、どの様にしたら予知性の高い審美性を得られるかについてラヴァシステムを用いた症例を挙げながら述べてみたいと思います。
 <ラヴァシステムとは>
 フレーム ジルコニアブロックは、高純度のジルコニアでできており、高い安定性、耐久性を有する高強度のセラミックスです。同時に生体への親和性が高いので、金属アレルギー反応がおきにくく、また光の透過性が高いことから自然に近い発色を再現でき、審美性に優れています。
 製造のプロセスは、歯科医院で採取した印象を元に技工士がスキャニング用模型を作製し加工センターに送ります。加工センターでは、コンピュータ制御されたスキャナーでデータを読み取り、未焼結のジルコニアブロックを削り出します。その後、専用のファーネスで1,500℃で焼成し、ジルコニアのフレームを完成させます。最終的に歯科技工士へ返送され、上部のジルコニア専用のポーセレンパウダーを用いて仕上げます。
 〈ラヴァ〉フレームの大きな特長は、
 1. 曲げ強度は1,200Mpaを超え、臼歯部のブリッジまで対応できる事。
 2. 2歯欠損最大6本ブリッジができること。
 3. マージン精度は平均25ミクロン(±12ミクロン)です。
 4. 削りだしたフレームを化学反応で着色できます。顔料を使用しないので透明度が低下しません。



CAD/CAM セルコンスマートセラミックスシステムについて
(有)TENSEI systems 石松 典生
 セルコンシステムは、スイスのチューリッヒ工科大学とチューリッヒ大学との共同研究により開発され、2001年3月にドイツ・ケルンで開催された IDS2001 において DeguDent 社より発表、翌2002年からヨーロッパにおいて市販された。それまで CAD/CAM システムはリューサイト系の陶材あるいはチタンを削り出すものというイメージがあったが、オールセラミックスレストレーションの応用範囲を拡大すべく新素材のジルコニアを応用した新しいシステムであったこともあり、当時多くの注目を集めた。また、この時点において先のチューリッヒ大学で3年以上の臨床治験が行われており、臼歯部での3〜5ユニットブリッジについて破折例がなく、ジルコニアの補綴材料としての優位性も既に示されていた。本システムは、ジルコニア材料のセルコンベース、スキャニングとミリングを行う CAM マシンのセルコンブレイン、シンタリング用ファーネスのセルコンヒート、CAD ソフトウエアのセルコンアートから構成される。これに昨年10月から専用のスキャナであるセルコンアイが加わり、セルコンシステムは CAM システムから本格的な CAD/CAM システムに変貌し、他社のシステムと同様 CAD によりブリッジ・フレームの設計が行えるようになった。日本ではヨーロッパに遅れること3年の2005年4月に薬事承認がおりたが、同年の IDS 訪独を機会に導入検討を行い、その秋から試用を開始、翌2006年から正式稼動、現在までに千数百本の臨床を行ってきた。その中で見えてきた CAD/CAM システムをラボに持つ意味やメリット、デメリットについてお話しできればと考える。



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