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◇ 歯科技工教育80周年記念講演会
“スポーツ歯学〜医科とのコラボレーション”

 
○ 日 時:平成21年3月28日(土)14:45〜16:30

○ 会 場:東京医科歯科大学歯学部外来棟4階特別講堂

○ 講 師:保科 早苗(独立行政法人国立病院機構 西別府病院 歯科部長)



講  演  抄  録

 スポーツ歯学は、外傷予防を目的とした「マウスガード」を活動の象徴として、その普及活動を進めてきた。1990年の研究会発足から、今年は日本スポーツ歯科医学会として19年目を迎え、学会会員数も1000名に到達しようとしている。現在、学会が中心となり、全国歯科大学に対して、歯科教育におけるスポーツ歯学のカリキュラムへの導入と統一化を進めている。また、昨年は、全国47都道府県すべての歯科医師会が SHP(日本スポーツ・健康づくり歯学協議会)に加盟したことにより、スポーツ歯学は「臨学一体」の組織を完成した。それを受けて、本年日本歯科医師会において「スポーツ歯学」のワーキング・グループが設立された。また、この9月には、FDI(国際歯科学連盟会議)から「マウスガードに関する声明」も発表される予定である。このように、スポーツ歯科は、日本が世界をリードする形で組織作りと研究発表そして臨床が進み、また世界的にも歯科界の一分野として認知されつつある。
 20世紀日本の歯科界は、カリエスそして歯周病の治療に忙殺されてきた。しかし、現在国民は予防に関心を寄せ、歯科医療のニーズは治療主体から、疾病そして外傷予防へシフトしてきている。健康の維持増進のためのスポーツを支援するスポーツ歯学は、新たな形で予防歯学の一翼を担うと思われる。
 そんな中、独立行政法人国立病院機構西別府病院スポーツ総合科に、この4月よりスポーツ歯科が立ち上げられた。スポーツ総合科各科連携をとりながら、スポーツ選手の医学的トータル・サポートということで、その一翼を担うべく整備を進めている。また、当科はいびき外来との連携で、スリープ・スプリントの製作も力を入れている。いびき人口2000万人すなわち日本国民の5人に1人がいびきをかき、その 1/10 の約200万人は睡眠時無呼吸症候群と言われており、その治療効果は大いに期待されている。
 歯科界全般に閉塞感が漂う中、歯科を併設する総合病院においても、歯科の収益性が低いということで、多くが閉鎖されてきた。しかし一方、近年、慢性歯周炎の循環器や呼吸器への影響の報告も多く、歯科領域での感染源除去による内科的予後改善が注目を浴びている。さらに、病院歯科の現場では、口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防や、摂食嚥下機能改善のための口腔環境の整備として義歯修理ニーズも非常に多い。
 日本の歯科技工は世界有数の高度な技術力を誇り、日本の歯科医療を支えてきた。今回は、病院歯科の現場から、特に「オーラルアプライアンス」をキーワードに、医科と歯科そして歯科技工との連携について言及してみたい。



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